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ランちゃん健康倶楽部

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喫煙の悪影響

喫煙が原因で2000年の1年間に死亡したと考えられる30歳以上の人は、全世界で483万人に達し、死因の12%を占めるとの調査結果を、米ハーバード大のマジド・エザッチ博士らの研究グループが25日までにまとめた。
 先進国と発展途上国の死者はほぼ同数だが、途上国ではアジアや西太平洋地域に集中。死因となったのはいずれも心臓血管系の病気が1位、途上国では慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)など呼吸器系疾患の割合が高い傾向が見られた。
 喫煙による死亡数は従来約500万人とされてきたが、地域や死因別に詳細に推定したのは初めて。研究グループは「地域ごとの喫煙傾向の特徴も踏まえ、途上国などでの対策を強化しなければ、健康被害はさらに深刻になる」と警告している。
 研究グループは、世界保健機関(WHO)が分けている世界6地域を、先進国と発展途上国、子供の死亡率などで、さらに計14ブロックに細分。喫煙と肺がんに関する研究データなどから、地域ごとに喫煙による死者数を推定した。
 合計483万人の死者のうち、女性は2割。途上国では死者の集中地域があり、インドやバングラデシュなど7カ国のブロックと、中国やカンボジアなど22カ国のブロックで、死者がそれぞれ約80万人に達した。
 先進国での死因は心臓血管の病気が一番多く約100万人。次いで肺がん(約50万人)、COPD(約30万人)の順だった。
 一方、途上国のCOPDの比率は先進国の2倍以上で、他の呼吸器疾患も含め全体の4割を占めた。研究グループは、石炭や動植物由来の燃料で家の中の空気が汚れていると、たばこにより体への影響がより強められる可能性を指摘している。

米国発ニュース
Today's News

(02/11)喫煙が生殖機能を阻害

 タバコの宣伝広告の排除や禁煙に関する法律制定の促進など禁煙に対する取り組みが米国および欧州各都市など多くの地域で広がっているが、現状に甘んじているとされる英国でも、喫煙による損傷の影響が男女を問わず生殖可能期間全体に及び、小児の健康にも有害であること、有害作用が禁煙によって劇的に減少することが報告された。
 報告は喫煙および生殖に関する20を超える研究の総合的な検討結果に基づくもので、喫煙者の女性では受胎可能性が最高で40%減少し、流産の発生が年間3000~5000件と高率であること、また男性では精子内のDNA損傷の可能性が2倍高く、30歳から50歳の男性12万人に喫煙による性的不能が見られることが判明した。また男女ともに不妊治療の成功率が低かった。

 さらに、女性喫煙者は年間1200例にのぼる悪性子宮頸癌、避妊薬服用に伴う心疾患リスク増大、早い閉経期など様々な健康問題に直面していた。また胎盤合併症、前期破水、未熟児および低体重児、周産期死亡など危険は小児にまで及び、母親が喫煙者である乳児には乳児突然死症候群(SIDS)、中耳疾患、呼吸器疾患、喘息の発症または発作が生じるリスクが高かった。

 英国では両親の喫煙への曝露に起因する呼吸器疾患で毎年1万7000人の小児が入院する。禁煙団体「喫煙と健康に関する行動」の責任者Deborah Arnott氏は、喫煙が次世代へもたらす破壊的な影響を指摘した上で、自らの健康改善のみならず受胎の可能性増大、また小児の喘息および肺炎発症リスク低減のためにも禁煙を最優先課題とするよう勧告している。

[2004年2月11日/HealthDayNews




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